2025/07/30 00:00
タニシインフォメーション vol.297 2024年8月号掲載
珍しいコアオアシシギ

コアオアシシギ
2017年8月8日の朝西条町寺家の田んぼで、セイタカシギが1羽とアオアシシギに似たシギがいた。嘴が真っすぐで細く、体がアオアシシギに似ている。しかし、アオアシシギよりも体が少し小さい。図鑑で調べるとコアオアシシギだ。珍しい鳥で私はこの時初めて観た鳥で、目が釘付けとなった。コアオアシシギは足早に歩き、水中の昆虫らしきものを啄んでいる。
セイタカシギと一緒に来たと思われるが、互いに、相手には無関係に行動している。セイタカシギはゆっくりと歩いているがコアオアシシギは比較的に足早に移動する。そのうち、互いに鉢合わせになるが、何事もなく素通りしてしまう。挨拶くらいしてもよいのではないかと思うが、そんなそぶりもなく、無関係であると言っているように思える。
コアオアシシギとセイタカシギの生まれた場所はお互いに遠く離れているけれども、日本に来る道筋が一緒だったようだ。移動にはお互いに連れだって行動する方が、単独で行動するよりワシタカ類に襲われ被害にあう確率が下がるのだろう。移動時の知恵で、もって生まれた天性なのであろう。
次の日、朝早く昨日の場所を訪れたが、コアオアシシギもセイタカシギも姿がなかった。昨夜のうちに、どこかへ移動したのだろう。もう少しゆっくりしてくれればよいのにと悔やまれる。野鳥観察で多くの鳥は一瞬か、わずかな時間しか観察できないことが多く、写真がとれれば幸運と言える。
文・写真:理学博士 新名俊夫
2024年7月 記
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