2025/06/25 00:00

タニシインフォメーション vol.282 2023年5月号掲載

尾をぴくぴく、イソシギ

2023.4.2 安芸津町高野川河口

イソシギ
 野鳥に会いたくて久しぶりに安芸津町の高野川河口にやって来た。4月に入って間もないので、まだヒドリガモが数組残っている。カモメ類を期待していたが、一羽もいない。私は8月以外では年中何種かのカモメ類を見てきたが、どうしたことだろう? カモメ類がいないので静かな感じがする。注意深く探すと、すぐ近くの岩場に何か動くものがいる。イソシギだ!よく探すともう1羽いる。じっとしているとどこにいるのか分かりづらい。休んでいるようだ。歩くと尾を上下に揺らしtakaoゆっくりと進む。イソシギは年中見られる留鳥だ。水辺の岩にいることが多いが、田んぼや池の岸にも来ることがある。

 イソシギは雌雄どちらも同じ色彩で区別ができない。大きさはクサシギより小さい。頭から背中、体の上面が灰褐色で、胸の脇から翼角に白色部が食い込んでいる。翼を閉じているとき翼先端よりも尾端の方がずっと長い。足は黄緑色をしている。ツィリーリーと細い声で鳴く。

 初心者の時、野鳥の名前を覚えるのに、シギ・チドリの仲間は難しそうで、覚える順番を一番後にしてきた。しかし、その鳥の特徴を抑えると、意外にはっきりと識別出来て、他の野鳥と特に変わりなく楽しめる。シギ・チドリ類は種類も多くて、海岸や内陸の田んぼ、池、湿地などにも飛来するので、観察する機会は比較的多い。

文・写真:理学博士 新名俊夫
2023年4月 記

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