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タニシインフォメーション vol.279 2023年2月掲載
小さな冬鳥、マヒワ

2羽ともマヒワ♂(2021.3.13 野呂山ビジターセンター)
マヒワ
イスカの群れを追って野呂山の国民宿舎からビジターセンターへ来た。一本の大木に団体が止まっていた。この団体がさーっと東の方へ飛び去り、別の群れが西からやって来た。10羽程度の黄色の団体・マヒワだ。マヒワは里ではあまり見かけない野鳥で、冬に集団でやってくる鳥だ。
ジュイーン、ジュイーンとおしゃべりしていて右へ左へと首を動かしキョロキョロしている。雄の頭は黒っぽく、胸が黄色で、腹が白い、横から見ると嘴は肉色で太くて短く、文鳥に似ている。雌の頭は緑褐色で黒褐色の縦斑がある。足は雌雄とも肉色をしている。よくおしゃべりをしていて小さい声なのでシー、シーとも聞こえた。
北海道の針葉樹林や中部の山地では少数羽繁殖するが、多くは大陸から冬鳥としてやってきて、山地の林に群れで生活し、ヤシャブシや杉の種子を食べる。春には低地の林でコナラやハンノキの種子や花芽を食べる。地上に落ちている穀物や草などもついばむ。
主に山地の林で生活しているので、里では見る機会がほとんど無いが、山に少し入ったところなどでは見かけることがある。スズメより小さな野鳥であるが団体でいるのですぐに気が付き、黄色をしているので目立つ、いれば必ず気が付くはずであるがあまり見かけない。黄色の野鳥も種類は少ない、目立つので天敵に襲われる危険がいっぱいなのである。
文・写真:理学博士 新名俊夫
2023年1月12日 記
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