2025/06/11 06:00

タニシインフォメーション vol.276 2022年11月掲載
小さなシギ、ヒバリシギ

ヒバリシギ (東広島市八本松町原)
ヒバリシギ
秋は渡り鳥の季節です。珍しいシギが来たとの情報を得たが、なかなか都合がつかず現地に行けなかった。3日目の朝やっと行くことができた。まだいてくれたが、草に隠れてなかなか姿を現わさない。1時間近く待っても全身を現わすことが無く、とうとうその日は写真を撮ることが出来なかった。
4日目は天気も良く、もう一度行ってみた。休耕田の向こうの端にいた。随分遠くにいて双眼鏡でやっと確認ができる程度である。しかも草に隠れていて、なかなか全身を現わさない。さらに、常に忙しそうに採餌していて、頭を上げてこちらを向いてくれない。幸い農道で人は通らない。カメラを向けて粘り強くチャンスを待つ。やっと全身が現われたので急いでシャッターを切り、その場を離れた。
ヒバリシギは色彩がヒバリに似ているのでその名がついた。頭に従斑があり、嘴は細くて短く黒色をしている。大きさはスズメくらいでスマートな体形、足は黄緑色でやや長い。他のシギと違って干潟ではなく河原の泥地や湿原など短い草の生えている水辺で採餌をする。シベリア東北部で繁殖し、東南アジア・オーストラリアで越冬する。
ヒバリシギは2羽いたがいつも離れていて一緒にいることはなかった。近くにタシギ2羽やコチドリ2羽がいたがこちらも草に隠れていることが多く、写真を撮る余裕はなかった。それほどヒバリシギの撮影に集中していたのかもしれない。
文・写真:理学博士 新名俊夫
2022年10月8日 記
前の記事:キアシシギ
次の記事:マヒワ
野鳥観察の楽しみ記事一覧