2025/06/04 06:00

タニシインフォメーション vol.273 2022年8月掲載

河口に降り立つキアシシギ

キアシシギ(2022.5.22 東広島市安芸津町)

キアシシギ
 今年も暑い夏がやってきそうです。少しでも涼しく感じられる野鳥が良いのではないかと思い水辺の野鳥キアシシギを紹介します。高野川河口は同じ東広島市内と言っても海岸まで行くのに八本松町から1時間近くかかってしまう。今年の3月に突然の脳血栓で倒れてからは後遺症がほとんどないとは言え長時間の運転は何となく不安である。

 高野川河口へ行けば野鳥が必ずと言っていいほど観られる。期待して防波堤からそっと河口をのぞき込む。海水は干潮時でほとんどない、野鳥は浅い所を好んで採餌をするのでちょうどよい潮時だ。期待して覗きこむとキアシシギ2羽がすぐ近くにいる。遠くには小さくカルガモが見える。いつもいるカモメ類がいない。寂しい観察となった。

 キアシシギは少し足が短く感じられる渡り鳥で、春から夏にかけてと、秋に主に海岸の浅瀬や干上がった場所で採餌している。小走りしながらの採餌は忙しそうに見える。時どき私を見上げて動きを止める(写真)。そしてまた、何事もなかったように採餌を続けた。体長はキジバトより少し小さい。背中は灰色で、夏羽では脇から腹にかけて横斑がある。嘴は黒色で足は黄色である。

 みるみる内に1羽は目の前を通過し、上流方向に歩いて行って、もう1羽は向こうの方にいて、こちらには近づかなかった。物足りない観察となり帰り支度をしていると、遠くの方からミサゴが現れ、上空を停空飛翔で狙いをつけ急降下し、海の中に飛び込んだ、が、何も捕らずに飛び上がった。

文・写真:理学博士 新名俊夫
2022年6月18日 記

前の記事:タカブシギ
次の記事:ヒバリシギ

野鳥観察の楽しみ記事一覧