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タニシインフォメーション vol.259 2021年5月掲載
嘴の目立つイカル

イカル成鳥(2021.3.19 東広島市西条町)
イカル
近くの公園にイカルがいたとの情報で、早速行ってみた。公園に足を踏み入れると、近くの落葉樹からヒヨドリのような波状飛行で4羽の鳥が飛び去った。しかし、体がヒヨドリよりずんぐりしている。きっとイカルだ。公園に接した北西側の外に背の高いセンダンの樹があるので、そこにいるのだろうと思い油断してしまった。
翌々日は良い天気となったので、再度挑戦した。公園内のベンチには日光浴をしている人が一人、今日もダメかと思って園内に入ると、澄んだ高い声で「ホトキー、ホーキー。」と声がする。イカルだ! 声はすれども姿が見当たらない。双眼鏡で声のする方を探すと、案の定、落葉したセンダンの樹の枝にいた。
イカルは高らかに囀り続けている。以前イカルを一緒に観た友人は「チチほしい、チチほしい。」と聞きなしされると言っていたのを思い出した。その時は「乳欲しい。」だと思っていたが、「父欲しい」かも知れない。なぜならこの鳥は乳を飲む幼鳥ではなく成鳥だから。
イカルは雌雄とも同色で、嘴は太く短く、その色は成鳥では赤味がかった黄色で目立つ、幼鳥は黄白色。成鳥の頭は黒色で、幼鳥は褐色、幼鳥の額は灰褐色で嘴の周りと目の周りは黒色。成鳥の背中は青灰色だが幼鳥はやや褐色がかる。留鳥だが時々しかやってこない。前回会ったのは4年前の東広島市福富町、その時は約30羽で田んぼに降りて採餌していたり、道路わきのオオバヤシャブシの樹で休んだりしていた。
文・写真:理学博士 新名俊夫
2021年3月21日 記
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