2025/05/01 00:00

タニシインフォメーション vol.306 2025年5月掲載
屋根の上のイソヒヨドリ

イソヒヨドリ
我が家の裏にはカイヅカイブキの生垣があり、それに沿って木造の2階建てアパートがある。その屋根の上には、テレビアンテナがそなえつけられている。このテレビアンテナがイソヒヨドリのお好みの場所である。イソヒヨドリの雄は定位置につくと美しい声で歌い始め、しばらく歌い続ける。
イソヒヨドリは我が家の食堂からも、居間からも良く見える位置にあり、美しい声ばかりでなく、頭から肩や背中がブルーで腹が赤茶色、ツグミのように姿勢正しく立って歌う。しばらく歌うと、いつの間にかいなくなってしまう。実に嬉しい訪問客であり、なんとも心豊かになる存在だ。歌声が聞こえると、すぐ姿を確認したくなる存在でもある。
イソヒヨドリは今から約22年前には内陸では見られない野鳥であったが、今では近辺のあちこちで顔を見せる存在となった。私がイソヒヨドリを初めて観たのは下蒲刈島であった。美しい姿ばかりでなく、姿勢も正しく、遠くを注視している姿を見るとこちらも姿勢を正しく背筋もピンと張ってしまう。
イソヒヨドリの雌は全身赤褐色で、たまに雄が姿を現す場所にやって来る。雌も、雄のように歌うので、姿を確認しなければ雌雄を判別できない。幼鳥は全身赤褐色で羽縁に白斑がある。
文・写真:理学博士 新名俊夫
2025年4月13日 記
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